【津軽あかつきの会】「いがめんち」や「けの汁」など津軽伝承料理をつなぐ「津軽あかつきの会」とは?

和食・郷土料理

掲載日:2026年1月14日

津軽地方では、長い冬を越すために、食材を発酵、塩蔵、乾燥させて保存してきました。

「津軽あかつきの会」は、そんな津軽の食を食材、調味料、調理方法を一切変えずに

食べてもらうことで、知恵や技術を後世に伝えようと2001年に発足しました。

津軽の郷土料理の「けの汁」や「いがめんち」など数種類の津軽伝承料理を食べることができます。

どんな料理があるのでしょう。

調理をしているところから、見せていただきました。


活動名

津軽あかつきの会

場所

〒036-8142 
弘前市石川字家岸44-13 

営業時間

木・金・土・日曜日 
11:30~14:00

電話

070-6613-8317(森山)9:00~13:00

駐車場

有 

予約方法

4日前までに、電話予約必要 4名様以上からでお一人様2,000円


だしと保存食と季節の野菜をふんだんに使います

厨房の扉を開けると、ふわりとだしの良い香りが迎えてくれました。

中では、会員の方たちが楽しそうに調理をしていました。

最初に見せていただいたのは、大きめの鍋にたっぷりのだし。

すべての料理に使うこのだしは、昆布とカタクチイワシの煮干しでとります。

このだしの味が一番わかるのが「けの汁」です。

ごぼう、人参、大根、塩蔵しておいたわらび、フキに干したゼンマイ。

塩蔵や干した食材を塩抜きしたり、戻したり。

美味しいものは、手間暇かけて作られています。

小さめの角切りにした食材をだしで煮て、自家製の味噌で味付け。

ここに、大豆をすりつぶした「呉汁(ごじる)」を加えます。

すり鉢で細かくすりつぶすのですが、だしを加えて、フードプロセッサーを使いクリーミーにすることで、口あたりの優しいじんわりと沁みる味になります。

「いがめんち」は、イカを刺身にしたあとのゲソを叩いて、刻んだ野菜と一緒に小麦粉でまとめて揚げたのが始まりと言われています。

とにかく、イカをはだく、はだく、はだく。 (津軽弁で叩くのことを「はだく」と言います)

一緒に季節の野菜のかき揚げと、大鰐温泉もやしの根を素揚げにしたものが付きます。

大鰐温泉もやしの根っこの素揚げを、「揚げたてが一番美味しいよ」と味見させていただきました。

初めて食べましたが、ふわふわでいくつでも食べられそうです。

食材を無駄なく使い切るのも、知恵のひとつですね。

以前、津軽の冬場は新鮮な魚が手に入りにくかったので、棒鱈や身欠きニシンを使っていました。

保存がきくとともに、うま味も増します。

棒鱈をゆっくりもどし、干ししいたけ、人参、フキ、高野豆腐、こんにゃくとだしで煮ます。

薄味ですが、それぞれの食材のうま味がひとつになって、味わい深いです。

数種類の漬物が提供されますが、気になっていたのがりんごの漬物です。

収穫までに途中で落ちてしまったりんごを、塩と水だけで漬けた漬物。

食べたら、りんごそのものでした。

落ちたりんごも、美味しく食べるのです。

他には、きゅうりの粕漬け、なすの三五八漬け、大根のみそ漬け。

どれも丁寧に作られていて、うま味がぎゅっと詰まっていました。

もうひとつ、漬物といえば高菜漬け。

これを塩抜きして、油揚げとだしで高菜の食感が残るように煮ます。

高菜にだしがしみ込んで、思わず「あー美味しい」と言葉が出ました。



地元の人も多く訪れます

それぞれの料理が出来上がり、美しく盛り付けて、お客さまがいらっしゃるのを待ちます。

会長の森山さんがお客様にその日の料理について説明をします。

手書きのメニューが素敵ですね。

食事中のお客さまに、ちょっとお邪魔して話を聞いてみました。

4人連れの女性の方々は黒石市、弘前市からいらっしゃいました。

会社の同僚で、あかつきの会の四季それぞれの料理を全部食べてみたいとのこと。

春と夏にも食べたけれど、今回は「けの汁」を食べるのを楽しみにいらっしゃったそうです。

美味しい食事と一緒に、会話もとても楽しそうでした。

もう一組は東京にお住まいのご夫婦と、五所川原にお住まいの奥さまのご両親。

結婚する際の御両家顔合わせ以来2度目とのことです。

津軽あかつきの会が発行した「津軽伝承料理」という本を読んで、料理を食べるのを楽しみにいらっしゃいました。

白く固まっている部分は大豆をすりおろした「呉汁」

「けの汁」の材料が細かく切ってあるのにびっくり。

いがめんち、高菜の煮浸し、大鰐温泉もやしの根っこの素揚げ、どれも美味しいと満足されていました。

地元の方や観光客にも人気の料理は、初めて食べるにもかかわらず、懐かしい味がするのだそうです。

外国のお客さまも、「母親の味を感じる」とおっしゃっていたそうです。



地味だけど、滋味深い味

「津軽あかつきの会」のメンバーは、2001年の発足時には数名でしたが今では40名程になりました。

依頼があれば、料理教室を開いたり、団体客へ料理を提供したり、観光事業やイベントへも積極的に参加しています。

料理を食べて、実家の祖母や母のことを思い出して懐かしく感じ、美味しいと喜んでもらうのが、一番嬉しいそうです。

それが料理を優しい味にするのでしょう。

メンバーの皆さん

家族のようで、家族とも違うよい距離感です。

料理を伝承することで、人と人を繋ぎ、作る人も食べる人も幸せな気持ちになる。

そんな食文化の豊かさを感じることができました。

「津軽あかつきの会」は事前予約が必須で、予約が取れるかどうかはタイミング次第とのこと。

津軽で受け継がれてきた伝承料理を食べてみたいという方は、お早目の予約がおすすめです。

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